相続したら失敗の元を断つ3つのコツ!銀行の投資話しには冷静、かつ気を強く

主旨に入る前に、まず伝えたいことがあります。
大きなお金が入ってきた時は、銀行や証券会社はあなたの口座を見て、営業を掛けてくるということです。

それが株でも仮想通貨であっても、例えその時が決して金融チャンスでは無かったとしても提案されます。
その実態を頭の片隅にでも良いので忘れないでください。

 

何の為のお金かを見失わない

大金を得た時には税が課される、という当たり前のルールがあります。
税の計算は金融庁で公開されていますし、なにより大金については税理士をスポット依頼でも構いませんので算出依頼をして正確に把握しましょう。

そして、手持ちのお金を仕分けてください。

・納税のためのお金か?
・殖やす為のお金か?
・散財しても良い自由なお金か?

ここから更に、それぞれのお金の使い方、用途を短期・中期・長期に細分化してほしいです。
自由なお金だって、今すぐ使うのか?来年の旅行のためなのか?何年後かの結婚記念日なのか・・・?
考えたらキリがないほど、したかったことの軍資金が手に入る場合もありますから、まとまったお金が入った時ほど仕分けの癖付けをしてください。

細分化の作業を上から順に行ってから使う。
当たり前のことですね。

けど、この当たり前のことが短期間で得た大金においては場慣れしていない限り、かなり高い確率で頭から抜けてしまうという現実を覚えておいてくださいね。

今回お話しするのは、事後報告による相談だった為に手を打てなかった悔しい事例です。

まとまったお金には甘い誘い

今回のお話しは、ある経営者の息子さんの事例です。

お父さんが一代で興した会社。その株は、親族内での所有でした。
お姉さんがいますが、長男であり事業を継ぐ可能性もあったことからご本人も株を所有。

相続が起こり、最終的にはお姉さんの旦那さんが事業を継ぐ形になりました。
ご本人は、これまで通り会社に勤務する予定でしたが事情により退社。

退社の際に持ち株も処分しようと、会社に買い取りをしてもらいました。
これが数億円にもなる売却益に。課税額が1億円ほども掛かることが明らかになりました。

売却手続きも終わり現金化し、納税は3ヶ月後。
納税資金は、直ぐに引き出せたり動かせる(流動性と言います。)よう銀行口座に置いておくこととしました。

ここに運悪くと言いましょうか、当然のごとくと言いましょうか銀行から入電。
「●●さん、その一億円、支払いまでの3ヶ月の間、預からせてほしいんです。」
具体的な提案内容は、投資信託のお誘いでした。

お金の勉強を少し始めた程度ですと、投資信託はプロが組み合わせた様々な投資商品に分散させていることから、手堅いイメージを持たれがちです。
そこに3ヶ月という短期となれば、お小遣い程度かも知れませんが自由なお金を作れるイメージになるでしょうね。

銀行口座のお金は納税資金。
それにも関わらず銀行からの話しに乗ってしまいます。

結果は、わずか3ヶ月でありながら見事に損失をこうむることに・・・

 

銀行は投資損失の責任を取らなくても良い

この大事な決めごとの期間だけ相談をせずにテンポよく進めてしまい、投資した直後、偶然にも別件でアポイントがあり訪問したところ・・・
「銀行に短期だからって言われて買っちゃってさ。次いでにちょっと見てもらえる?運用資金じゃないから相談しなくてもいいかな?って思っちゃって。」と。

当然ですが、どんな投資商品でも『必ず儲かる』と決まったものはありません。
勧めた銀行が責任を問われることもありません。
お客様が損失をこうむろうとも、銀行は手数料ビジネスですから投資信託の売った時、買った(換金)時の両方での取引手数料は得ているんです。

私も、まだパートの身だった頃、勉強したてで資産形成の駆け出しで銀行マンの勧めるがままの商品購入で失敗したことがあります。
同じ失敗でも、自身が頭を使ってのことならば、投資を決めた動機も敗因の流れも学びに繋がるから今後の糧になるんですけどね…

ご本人も「お金が銀行口座で殖えもせず寝てるぐらいなら・・・」
そう、軽く考えてしまったと。

けれども、そもそもそうではないんです。
納税のための資金ということは、1円でも減らしてはいけないお金なんです。

税の算出は、得たお金に税率を掛けて算出するもの。
つまり、直近でインフレが起こって貨幣価値が低くなって、100円で買えていたパンが500円になろうとも課税額は変わりません。
消費税のように、これから出てくる価格(価値)に対して税率を掛けるものではありません。

単純に、納税のための資金の数値が変わらなければ納税義務を果たせるんですよ。
そこを分かってか分からずか、儲け話しを持ち掛けるというのは非常識でモラルがなく、お客様目線のない営業提案だということです。

仮想通貨でも同じですよ。
仮想通貨で儲かった人、いますよね?

次の儲けが出ると買い増しなり、別の投資案件なり提案してくるものです。
仮想通貨のチャンスを教えた人間は、その恩を紹介料目的で別の甘い誘いに乗せようとする流れは、もはや常とう手段です。

気を付けてくださいね。

換金しようとすると嫌な顔をされて取り引きできず、良いレートで換金すると別の誘いが来る。
どちらにしても気を強く持っておかないと、利益の確保は難しいんですよね。

 

お金は自覚が大事

今回の3つのコツは、手持ちのお金の仕分け方でした。

・納税のためのお金か?
・殖やす為のお金か?
・散財しても良い自由なお金か?

いかがでしたか?
翌年の納税額をきちんと把握していますか?

確実に払わなければいけないお金の預け場所を間違えないでください!

仮想通貨や海外投資商品には、買う時には簡単、売って換金する時に問題が発生するものがあります。
例えば、換金するとポイントの付与で済まされ、そのポイントが使える買い物でのみ使えるなど。

納税は特に、現金での支払いです。
目的と支払い方、これもまたお金の自覚です。

お金の自覚には、お金の動きと世間の動きも再確認しましょう。
銀行や証券会社は大金が入金されたり、売却して換金するなどの大きなお金の流れは、それぞれの会社の口座ゆえにしっかり見ています。
親切心や絶好の投資チャンスの時に限って声を掛けている、なんて思い込まないでください。

金融機関と仲良くなっておくことは、融資で金利や審査承認の優遇に繋がるので大切なことです。
でも、その関係構築を投資で作ろうと軽く考えることは避けましょう。

不動産投資のための融資など金融機関のチカラを借りなければならない計画が資産形成にないのであれば、払うべきお金の保管口座として金額の調整をすれば良いですよ。

銀行の提案は責任のない営業話しとして冷静に聞く。
友人からの甘い儲け話しにも冷静、かつ気を強く持って接する。

いろいろと厳しい現実を見せた言い方もしていますが、切に願うこと。
自分の足で生きていける自分自身を作っていける暮らし方をしてほしい。

ファイナンシャルプランナーの私のお仕事は、その基盤づくりのお手伝いをすることです。
ご相談、お問い合わせ、お待ちしております。

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