『ナビとコスパ』家族になったら、やり過ぎないコストパフォーマンス

ファイナンシャルプランナーとして、まず最初にお客様内容の確認をし、手を入れるのは家計。主に支出についてです。

皆さん、貯蓄という将来や老後への不安があってご相談に来られます。
「どうやったら貯められますか?殖やせますか?」
「幾らあれば、不安がない生活になりますか?」

たま~に「投資商品だけ教えて!」
そんな方がいらっしゃいます。

でも、クライアント様のご事情も分からないのに投資商品のご提案なんて出来るわけがないんです。

貯め方の前に大事なことがあります。
『使い方』なんですね。
だからこそ、支出についての現状と、これからの考え方のサポートをさせて頂いています。

今回は、使い方と考え方について触れていきますね。

 

価値観と家族イベント

デキ婚というのは、当然に、突然に決まるものです。
突然だからこそ、目まぐるしく結婚生活に向けた動きとなります。

心の準備どころか、状況の変化が先に進んでいく状況です。
心境や価値観は、状況の変化に追いつくのが精いっぱい。
実際、追い付いていたのかも怪しいですよね?
そんな中、子どもが出来て家族になるにあたって、一緒に住み始めた頃にお願いしたことがありました。

彼の趣味が車。
走り屋仕様の車でしたから、当然にスポーツタイプのマニュアル車。

身重の身で乗り込むのも大変な形。
身体を縮こませないといけないシート。結局、座っていても体に負担かかるんです。
チャイルドシートの付け場所もなく、荷物も積めない…

これから赤ん坊が生まれるであろう新婚家庭に適した車だと思えますか?
三人家族には到底向かないんです。
走り屋仕様の車から、家族の為に5ナンバーのワンボックスカーに買い替えてくれました。

趣味から家族を想って買い替えてくれた気持ちには、今でも「本当にありがとう」と思っています。

・・・でも
32万円もする当時の最先端の機能を携えたカーナビも買ってきたとしたら。
貯蓄も無い状態なのに。

彼の言い分
「車が中古なら、カーナビぐらいは最先端の機種にするもんなんだよ!」
「これなら、しばらく使えるんだよ。」
「それに、純正品だと走り出したら操作できないようになるから、規格外のモノじゃないと使いづらいしね。」
「高いとしたって、何のためにローンというものが有るんだよ!?」

私の想い
中古だって2~3年は使える。
地図だってある。
赤ちゃんを連れて、ナビが必要な遠出が何回あるの!?

でも、車を買い替えてくれた彼に、自分の考えを言い切ることが出来ましょうか?
出来ませんよね・・・
私の場合、「乗り潰そうね」という誓いを交わして妥協点を持ち、自分自身を納得させてしまいました。

これには後日談があるのです。それはまた別のお話しで…

専業主婦が言いたことを言えない最も大きな原因は、口調や相手の性格ではないと思います。
自分自身の心にあるのではないでしょうか。
「稼いできているのは主人だし。」

この心理状況は、夫婦として対等な状況でしょうか?

 

もし、FPとして伝えるのなら


家族を持つことになった時に、まず切り替えたいこと。
趣味嗜好から思考のベースを家庭中心に。
個人の優先事項の前に家族としての優先事項を大切にする。
ここだと思っています。

その際に、コストパフォーマンスって考える必要があると思いませんか?
とくに、子どもが生まれる前や幼ければ幼いほど、世の中には可愛くて、つい欲しくなるものや「この子の為にも!」って思えて仕方なくなるもので溢れているんですよね。
この誘惑は強いですね。
経済的に困っていなければ「このぐらい、このぐらい…」の小さな積み重ねが、気付けばかなりのお金を使っていたり、モノで溢れかえったり、と。

コストパフォーマンス思考は冷静、かつ、物事を客観視や俯瞰(ふかん)で捉えることが出来るんですよね。

パートナーによっては、この冷静さを嫌う方もいます。
コストパフォーマンス思考の加減や必要度は、1人で決めるとかなり危険です。

何かを買うかどうかの場面で決めるのは避けてください。
何もない時にパートナーときちんと向き合って話し合い、価値観の擦り合わせ、程度の確認、思考のベースの共有を図ってくださいね。

こればかりは、正論だけが正しい結果を生むとは限りません。
正論ばかりが正しいわけじゃないことを繰り返して、何も前進しない結果になる方々も沢山いる事実もあります。

さて、お子さんが幼いうちの自問自答は、どうしましょう?

こんな投げ掛けは、どうですか?
『自分たちの生活、人生に必要?』
『ローンを使えば金利もプラスされるんだよね。』
『果たして、【今】必要なの?』
『今から●●(期間)で、何回使う?』
『子どもが育ってからが、本格的に使い始める時かも!?』

◆大切なこと
子どもの服が直ぐに買い替えることになるように、家庭内の変化の周期は短い。
ここを大前提にすることです。

先のケースで言えば、32万円あったら、最優先で使いたいものは?
大きなお金だからこそ、ジャンルを問わず【お金の総量】で考えてみることだと、今なら思います。

ローンは書面を交わすので、【借金を背負う】自覚と気持ちを固める場面があります。
けど、クレジットカードは簡単に分割払いで購入を決めてしまいません?
それって、ローンを組んで同じ支払い回数を指定して買うのと何ら変わりませんよ。

そもそも、一回で支払えるものにローンやリボ払いを使わないことです。
本当に大きなお金でもないことを分割払いで支払おうとしていることに疑問を持ちましょう。

カード会社の思惑にハマらないことです。
思惑についての詳しいお話しは、リボ払いの記事をご参照ください。
【リボ払いの闇 結婚や住宅購入を諦めない為にも】

『ローンが使える買い物か?』なんて比べ方はしなくて良いです。

 

お金の使い方の基本


・客観視と俯瞰
・一回の支払いの大小よりも総額の確認
・ジャンルを問わない
・お金の総量での比較

それと・・・人生の楽しみまで奪った節制は、もはや無駄
人生の楽しみって、人それぞれですよね。
喜びを共有もしたくて結婚したんじゃありませんでしたか?

パートナーは親じゃないんですから、人生の楽しみを奪う役目をお願いしてもいないのに・・・ねぇ?(笑)
客観視すれば、節制の節度も見えてきやすいのではないかと思うんです。

独りよがりの趣味は、おこづかいの範囲で。
家のスペースを取るものは、家族会議で範囲や程度を予め決めておきましょうね。
理論の前に、論理的な思考、マインドがとっても大切です。

※理論:物事の事実や法則を元に考えを話していくさま
論理:事実や事柄から法則性や結論にまとめようと話すさま

簡単に言えば、世間一般の法則に自分たちを当てはめる理論ではなく、自分たちにこれまで起こっている事実からまとめていくように考えようとする心持ちでいてほしいんです。

いろいろと厳しい言い方もしていますが、切に願うこと。
自分の足で生きていける自分自身を作っていける暮らし方をしてほしい。
ファイナンシャルプランナーの私のお仕事は、その基盤づくりのお手伝いをすることです。
【ご相談、お問い合わせ】お待ちしております。

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